~骨盤底筋と足部の意外な関係~
尿もれ(尿漏れ)対策というと、「骨盤底筋を鍛えましょう」と言われることが多いですよね。
実際に、尿もれの原因のひとつとして骨盤底筋群の機能低下はよく知られています。
しかし、骨盤底筋の機能は骨盤まわりだけで決まるものではありません。
実は足裏の状態が姿勢や重心バランスに影響し、その結果として骨盤底筋が働きにくくなることがあります。
一見関係なさそうな「足裏」と「尿もれ」。
今回は、骨盤底筋と土踏まずの意外な関係についてお話しします。
尿もれと足裏はどう関係しているの?
足元は体の土台です。
家を建てるときも、土台が傾けば建物全体が傾いてしまいますよね。
それと同じように、足元が不安定になると、その影響は膝・股関節・骨盤へと連鎖していきます。
例えば土踏まずが潰れて足が内側へ倒れると、膝や股関節も内側へねじれやすくなります。
すると骨盤の位置も変化し、骨盤が前傾しやすくなります。
骨盤が前傾すると、骨盤底筋は引き伸ばされた状態になります。
筋肉は伸びすぎても縮みすぎても十分な力を発揮できません。
これは骨盤底筋も同じです。
骨盤底筋が働きにくい状態になると、咳やくしゃみなどでお腹の圧力が高まったときに支えきれず、尿もれにつながることがあります。
では、なぜ足元が不安定になるのでしょうか。
その理由を知るために、まずは足裏がどのように体を支えているのか見てみましょう。
足の裏には体を支える3つの大事なポイントがあります。
・かかと
・母趾球(親指の付け根のふくらみ)
・小趾球(小指の付け根のふくらみ)
この3点が均等に床に接地することで、体の土台が安定します。
そして、この3点を支えているのが足裏のアーチです。
・内側縦アーチ
・外側縦アーチ
・横アーチ

このアーチがしっかり保たれていると、綺麗な土踏まずが作られます。
土踏まずには、地面から受ける衝撃を吸収する役割があります。
そのため、足裏のアーチが保たれていると姿勢や重心も安定しやすくなります。
しかし、このアーチが崩れてしまうと土台が不安定になります。
立った状態で、わざと土踏まずを潰すように足の内側へ体重を乗せてみてください。
膝が内側に入りやすくなったり、股関節が内側にねじれたり、腰が反りやすくなったりしませんか?
足元の崩れは、その上にある関節へ少しずつ影響していくのです。
あなたの足裏は大丈夫?簡単セルフチェック
まずは土踏まずを観察してみよう
裸足で立ったとき、土踏まずはありますか?
左右で形に違いはありませんか?
また、靴底の減り方にも注目してみましょう。
内側だけ、外側だけが極端にすり減っている場合は、体重のかかり方に偏りがあるかもしれません。
次は足部の安定性を確認してみましょう。
レベル1|両足立ちで足指を全部浮かせる
両足で立ったまま、10本の足指を全部床から浮かせてみましょう。
グラグラせずにキープできましたか?
レベル2|片足立ちで足指を全部浮かせる
片足で立って、同じように足指を全部浮かせます。
ぐらつかずに保てましたか?
レベル3|片足立ちで足指を浮かせたまま深呼吸3回
レベル2の状態のまま、ゆっくり深呼吸を3回行います。
最後まで軸足がぶれませんでしたか?
どこで止まりましたか?
止まったレベルは、今の足部の安定性を知るひとつの目安になります。
足裏のアーチを整えるホームエクササイズ
では、具体的にどのように整えていけばよいのでしょうか。
まずは足裏や足の甲の筋肉、関節を柔らかくすることが大切です。
足裏を手でほぐしたり、足指を1本ずつ曲げたり伸ばしたりしてみましょう。
特に普段あまり動かしていない小指は硬くなりやすいため、意識して動かしてみてください。
足の指が動きやすくなったら、次は足裏のアーチを支える筋肉を働かせていきましょう。
足指じゃんけん
グー・チョキ・パーを足指で行います。
最初はうまくできなくても大丈夫です。
毎日続けることで、眠っていた足指が少しずつ動くようになります。
このとき、小指がしっかり外へ広がるかも確認してみてください。
タオルギャザー
椅子に座り、床に置いたタオルを足指で握る・持ち上げる・離すを繰り返します。
タオルを手繰り寄せるように動かしていきましょう。
片足10回程度が目安です。
タオルを少し濡らすと負荷量を上げることができます。
尿もれ対策は骨盤底筋だけでなく足元から
尿もれが気になると、「骨盤底筋を鍛えなきゃ」と考える方は多いと思います。
もちろん骨盤底筋のトレーニングは大切です。
しかし、どれだけ鍛えようとしても、その筋肉が働きやすい土台が整っていなければ十分な力を発揮しにくくなります。
今回のセルフチェックで足元の不安定さが気になった方は、まず足裏を意識することから始めてみてください。
タオルギャザーや足指じゃんけんは、特別な道具も必要なく今日から始められます。
小さな積み重ねが、体の土台づくりにつながります。
整える before 鍛える。
骨盤底筋だけを見るのではなく、足元から体全体のつながりにも目を向けてみましょう。
理学療法士 ラビ

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