体を整える前に知ってほしい|産後に多いリブフレアとは?理学療法士が解説

「下腹が戻らない」「呼吸が浅い」「骨盤底筋群が大事と聞くけれど……」こんな悩みを抱えていませんか?

実はその悩み、肋骨の開きが関係しているかもしれません。産後ママに多い「リブフレア」という状態です。骨盤底筋群は「鍛える」よりもまず、「整える」ことがとても大切です。自分の体をよく観察して整えてあげることから始めましょう。

この記事では、理学療法士として16年間働き、3回の出産を経験した私ラビが、産後に多いリブフレアについてわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • リブフレアとは何か
  • 自分でできるセルフチェック
  • なぜ産後にリブフレアが起きるのか
  • リブフレアが体に与える影響
  • 自宅でできるセルフケアについて

リブフレアとは?

リブフレアとは、肋骨の下側が前に突出して外側に開いた状態のことです。

正面から見たとき、左右の肋骨の一番下が作る角度を「肋骨下角」といいます。一般的には70〜90度くらいが目安とされています。

この角度が100度以上になると、肋骨が開いている状態=リブフレアと言われます。

出産経験がない方でも、姿勢をよくしようと胸を張りすぎることで、リブフレアになっていることがあります。

そんなリブフレアは産後のママによく見られる状態です。でも「肋骨が開いている」と気づいていない方がほとんどです。

① 鏡で正面から確認する

鏡の前に立って、正面から自分の肋骨を見てみましょう。

胸骨(胸の真ん中の骨)の一番下から、左右に肋骨が広がっています。その角度が90度以上開いていませんか?私は実際にマジックで体に書いて角度や左右差を確認しています。本やノートの角を使って90度を確認するのもおすすめです。胸骨を中心に左右差がある方もいます。その場合は、角度が広いほうがより開いていると考えてみてください。

② 肋骨の下を触ってみる

次に、肋骨の一番下を指で触ってみてください。

胸骨の下の尖った部分から、脇に向かってなぞると肋骨の下縁が触れます。

そこに指を入れてみてください。

  • 固くて指が入りにくい
  • 触ると痛みや張りがある

そんな感覚があれば、肋骨まわりの動きが制限されている可能性があります。リブフレアのサインかもしれません。

なぜ産後にリブフレアが起きるのか

① 妊娠中の肋骨の変化

妊娠中、大きくなったお腹が横隔膜を押し上げます。それに伴い肋骨も押し上げられて開いていきます。出産後もその状態が残りやすいんです。

② S字カーブの崩れ

産後は反り腰になりやすく、脊柱のS字カーブが崩れます。背骨のアライメントが崩れると肋骨の位置も変わり、リブフレアが起きやすくなります。

③ 腹圧の低下

骨盤底筋・腹横筋・横隔膜が連動して腹圧を作っています。産後はこの連動が乱れやすく、腹圧が低下します。腹圧が低下すると肋骨を安定させる力も弱くなります。

リブフレアが体に与える影響

リブフレアは「肋骨が開いているだけ」の問題ではありません。全身に影響を与えます。

呼吸がさらに浅くなる

肋骨が開いたまま固定されると、横隔膜が正しく動けなくなります。呼吸がさらに浅くなり、骨盤底筋との連動も乱れます。

骨盤底筋が働きにくくなる

横隔膜と骨盤底筋は呼吸に合わせて連動しています。リブフレアで横隔膜の動きが制限されると、骨盤底筋も働きにくくなります。尿漏れや体幹の不安定感につながることがあります。

下腹がぽっこりする

腹圧が正しくかからなくなると、下腹部が抜けたような状態になります。頑張って腹筋をしても下腹が引っ込まないのはこれが原因のことがあります。

肩こり・首こりが慢性化する

肋骨が開くと肩や首の筋肉が余計に頑張るようになります。肩こりや首こりが慢性化しやすくなります。

姿勢が崩れる

リブフレアがあると反り腰・猫背・骨盤の傾きなど姿勢全体に影響が出ます。


肋間筋とリブフレアの関係・セルフマッサージ

肋間筋とは?

肋間筋とは、肋骨と肋骨の間にある筋肉です。呼吸のたびに肋骨を広げたり縮めたりする役割を持っています。

リブフレアが続くと、この肋間筋が硬くなって動きにくくなります。すると肋骨まわりの動きが少なくなり、呼吸でも動かしにくくなります。

よってリブフレアを整えるには、まず肋間筋をほぐすことが大切です。

肋間筋のセルフマッサージ

  1. 椅子に座るか、横になりましょう(横になる際は膝を立てましょう)
  2. 片手の指を肋骨と肋骨の間に置きます(肋骨は全部で24個、左右12個ずつあります)
  3. やさしく圧をかけながら、横方向になぞります
  4. 固いところ・痛いところは特に丁寧にほぐしましょう

ポイントは強く押しすぎないこと。やさしくほぐすだけで十分です。鎖骨の下から脇腹にかけて、上から下へマッサージしてみましょう。毎日続けていると痛みが和らいでいくのを実感すると思います。

横隔膜を整えよう

肋間筋をほぐしたら、次は横隔膜を整えていきましょう。とはいえ横隔膜は直接は触れません。肋骨の一番下の部分に、指3本(人差し指、中指、薬指)を当てます。みぞおちの少し下あたりです。息を吐きながらやさしく押していきましょう。横隔膜が動きやすくなると指がすっと沈む感覚が出てきます。最初は指が入りにくい方も多いです。

毎日続けていると、少しずつ変化を感じられる方も多いですよ。

呼吸の基本

  • 楽な姿勢で座るか仰向けになります
  • 両手で下部肋骨を包み込むように置きます
  • 鼻からゆっくり息を吸います(肋骨が広がる感覚を感じてください)
  • 口からゆっくり長く息を吐きます(6~8秒を目安に)
  • 吐くときに肋骨がやさしく締まる感覚を意識します

    ポイント

    吐くときに無理に肋骨を押し込まなくていいです。息をしっかり吐ききることで、自然に肋骨は締まっていきます。

    まとめ

    リブフレアは産後のママにとても多い状態です。でも気づいていない方がほとんど。

    肋骨が開いたまま骨盤底筋を鍛えようとしても、うまく力が入らないことがあります。

    まずセルフチェックで自分の状態を知り、肋間筋をほぐして、呼吸で整える。

    この順番で体を整えていきましょう。

    リブフレアは、長い時間をかけてできた体のクセでもあります。

    だからこそ、まずは体を観察すること、呼吸を意識することからで大丈夫。

    「頑張っているのに変わらない」のは、あなたの努力不足ではなく、“体の順番”が違っていたのかもしれません。少しずつ整えていきましょう。

    理学療法士ラビ

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