理学療法士でも、産後にしっかり尿もれしました

骨盤底筋のことは、仕事で何度も患者さんに説明してきました。

「ここを締めてくださいね」
「続けることが大切ですよ」

そんなふうに伝える側でした。

それなのに、産後の私はしっかり尿もれを経験しました。

今回は、理学療法士としてではなく、一人の母親として体験した話です。

同じように「最近ヒヤッとすることが増えたな」と感じている方の参考になればうれしいです。

縄跳びで気づいた体の変化

産後、尿もれの兆候はありました。

くしゃみをしたとき。
咳をしたとき。
少し急いで走ったとき。

でも、その頃は「産後だから仕方ないか」と深く考えていませんでした。

転機になったのは、子どもと一緒に縄跳びをしたときです。

跳んだ瞬間、

「あ、これはまずいかもしれない」

そう感じました。

それ以降、トイレに向かっている途中で我慢がきかなくなることが増えました。

尿意を感じてトイレへ行く。
下着を下ろそうとする。
その瞬間に漏れてしまう。

それまでは我慢できていたことが、できなくなっていました。

筋力の低下や体の変化は知識として理解していました。

でも、自分の体で経験すると衝撃はまったく別でした。

骨盤底筋トレーニングをしても実感がなかった

私は理学療法士として、泌尿器領域の患者さんへ骨盤底筋トレーニングの指導をしてきました。

だから当然、自分でも行いました。

締める。
緩める。

教科書どおりに繰り返します。

でも、何かがおかしい。

骨盤底筋を締めているつもりなのに、動いている感覚がありませんでした。

「ここを動かしてください」

と人には説明しているのに、

自分ではどこが動いているのか分からない。

今振り返ると、骨盤底筋そのものが悪かったというより、骨盤底筋が働ける状態に体がなっていなかったのだと思います。

問題は骨盤底筋ではなく“土台”だった

当時の私は典型的な反り腰でした。

お腹はぽっこり。
腰は常に張っている。

骨盤底筋ばかりに意識を向けていましたが、そもそも体の土台が整っていなかったのです。

そこで始めたのが、背骨や骨盤の位置を整えることでした。

やったことはとてもシンプルです。

バランスボールに体を預けて背中を丸める。

骨盤を後傾方向へ動かし、反りすぎた腰をいったんリセットする。

それだけでした。

すると今まで張り続けていたお腹や腰が少しずつ変わっていきました。

力が抜けるべき場所が抜ける。

体重は変わっていないのに、体の軸が安定してくる感覚がありました。

そのとき初めて、

「鍛える前に整えることが必要だったんだ」と気が付きました。

初めて骨盤底筋を動かせた感覚

土台が整ってきた頃、股関節を広げた姿勢(開排位)でエクササイズを行いました。

すると初めて、

「あ、動いている」

という感覚がありました。

それまで何度やっても分からなかった骨盤底筋の動きが、ようやく意識できたのです。

一度感覚をつかむと不思議なもので、立っていても座っていても、

「今ここが働いている」

と分かるようになりました。

私の場合、

  • バランスボールで骨盤を後傾方向へ誘導する
  • 開排位でエクササイズを行う

たったこれだけでした。

結果として、悩んでいた尿もれはほとんど気にならなくなりました。

同じように悩んでいる方へ

もちろん、すべての尿もれが同じ原因とは限りません。

出産歴や体の状態、生活習慣によっても理由はさまざまです。

だから「これをやれば全員改善する」と言うつもりはありません。

ただ、私自身の経験として伝えたいことがあります。

それは、

骨盤底筋を鍛える前に、骨盤底筋が働ける体の状態を作ることが大切な場合もある

ということです。

私はずっと「締めること」に意識を向けていました。

でも本当に必要だったのは、「締められる土台」を整えることでした。


まとめ

私が自分の体で学んだことを一言でまとめると、

鍛えるより、整えるが先。

いきなり骨盤底筋を頑張るのではなく、

まずは背骨や骨盤の位置を整え、体の軸を作る。

その上で骨盤底筋を動かしていく。

理学療法士として多くの方に伝えてきたことを、最後は自分自身の体から教わりました。

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※この記事は私個人の体験をもとにした記録です。症状や経過には個人差があります。気になる症状がある場合は、医療機関や専門家へご相談ください。

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